向井豊昭アーカイブ
2023/11/04 「フラジャイル」と「潮流詩派」に向井豊昭の詩が掲載。


●「向井豊昭アーカイブ」について
北海道、アイヌのモチーフによって「ヤマト」を攪乱し続けた「マイナー文学」にして反骨のアナーキスト作家向井豊昭。62歳という高齢でデビューし、作家活動期間はわずか13年、出た単行本はわずかに三冊、多くが絶版。無数の雑誌掲載作と未発表作品が眠っており、それらを少しでも多くの人に触れられるようにするべく、向井豊昭作品の公開を目的とした向井豊昭アーカイブを開設します。

●向井豊昭略歴
1933年、東京都で生まれる。その後青森県の下北半島で育ち、北海道のアイヌ・モシリの小学校で25年教員を続けた後、東京へ「逃亡」、同人誌等の活動を経て、1995年、「BARABARA」で第十二回早稲田文学新人賞、第二回四谷ラウンド文学賞受賞を受賞。その後早稲田文学を中心に、また教員生活を送っていた北海道で発行されている同人誌などにも小説などを発表していた。2008年6月、肝臓癌にて死去。

●作品集と評伝が刊行
岡和田晃編『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』(未來社)
岡和田晃『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディディ)の世界文学』(未來社)


●向井豊昭作品

〈掌篇〉
六花 ……2761字

〈短篇〉
Saitô-Hidekatu……28720字(幻視社第七号からの抜粋PDFおよび前書き)
チカパシ祭……28928字(幻戯書房のnoteへのリンク)
竜天閣……20599字 (幻戯書房のnoteへのリンク)
モヨロの人たち……11077字
埴輪の目……42000字
一揆……19480字
千代に八千代に……45418字
津軽と南部ァ親戚……2781字
無神の馬……7401字
なのだのアート……16189字

国民学校落第生……23458字
用意、ドン!……14498字
千年の道……17084字
パパはゴミだった。……16118字
40代バンバンザイアットホームカウンセリングコーポレーション(1) ……9566字
40代バンバンザイアットホームカウンセリングコーポレーション(2.3)(近日公開)

〈戯曲〉
……15360字

〈長篇〉
骨踊り
……112938字
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10) 
※早稲田文学新人賞受賞作「BARABARA」の原型作品です。公開に当たって元々章割りされていない作品を便宜的に分割しています。原稿では空白行のない一続きのものです。
PDF版『骨踊り』(異同色分け版)
※『BARABARA』の単行本版との異同を色分けしたPDFです。「BARABARA」では削除されていた部分を赤文字で表記してあります。

UFO小学校 (全十二章)
  一 UFO小学校の入学しき
  二 UFO小学校のかていほうもん
  三 UFO小学校のさんかん日
  四 UFO小学校のたなばた
  五 UFO小学校のキャンプ
  六 UFO小学校のひなんくんれん
  七 UFO小学校のうんどうかい
  八 UFO小学校の学げいかい
  九 UFO小学校のミニキャンプ
  十 UFO小学校のかきぞめ
  十一 UFO小学校のせつぶん
  十二 UFO小学校のそつぎょうしき

※章番号は公開にあたり加えたものです。章頭の住所電話番号は実在のものが書かれていたのを伏せ字にしています。

(エッセイ)
五稜郭と片上楽天
けたまえな
明治三十七年のダマガシキヅネ
明治二十五年の作文
続・小熊秀雄への助太刀レポート
「<書評>裏側の人たちの裏はどこに? ―「反体制エスペラント運動史」を読んで―」
エスペラント誌「La Movado」より向井豊昭関連記事
「北海道ローマ字研究会」掲載書簡
蜃気楼 花序

※ html化にあたり、ルビは括弧に開き、傍点は強調下線に置き換える等の処理をしてあります。


 ●向井豊昭についての論考等

忘れられないための「闘争」――岡和田晃『向井豊昭の闘争 異種混淆性(ハイブリディティ)の世界文学』書評 東條 慎生

見えないものこそ、見つめなければならないのだ
――向井豊昭メモ
  東條 慎生

「わたしは誰の命令も受けてはいない。         
わたしを貫く、歴史の声に突き動かされているだけ」
――向井豊昭論序説
  岡和田 晃

向井豊昭氏からの書簡について  岡和田 晃
※註 以上の三つの原稿は初出時のママになっています。

●向井豊昭著作リスト
●2009年発行『幻視社第四号』掲載の向井豊昭特集目次


管理者:東條 慎生 inthewall●king-postman.com
全面協力 岡和田 晃  akiraokawada●gmail.com
●を@に変えてください。

このページおよび「幻視社」の特集は、岡和田氏が遺稿の保管、著作権者の方への交渉などを担って頂いたおかげでできています。
断りのない限り入力、サイト作成は全て東條の担当となっておりますので、誤字脱字誤変換等ミスを発見された場合、東條の方にご連絡頂ければありがたいです。幻視社の掲示板に書き込んで頂いても結構です。

Special Thanks
向井恵子様 向井流様
『早稲田文学』市川真人様

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アクセスカウンター

更新履歴
2011/6/25開設
2011/10/24 UFO小学校一,二公開
2011/11/24 UFO小学校三,四公開 情報募集のお知らせ
2011/12/24 UFO小学校五、六公開
2012/1/27 UFO小学校七、八公開
2012/2/24 UFO小学校九、十公開
2012/3/24 UFO小学校十一、十二公開。告知追加
2012/5/24 (短篇)に「千年の道」追加
2012/6/26 (エッセイ)に二篇追加
2012/7/24 (短篇)に「千年の道」後半と「用意、ドン!」追加
2012/8/24 (短篇)に「国民学校落第生」追加
2012/9/24 (短篇)に「なのだのアート」追加
2012/10/25 (エッセイ)に「明治二十五年の作文」追加
2012/12/24 (エッセイ)に「続・小熊秀雄への助太刀レポート」追加
2013/01/24 (エッセイ)に「<書評>裏側の人たちの裏はどこに? ―「反体制エスペラント運動史」を読んで―」を追加
2013/05/25 (長篇)に『骨踊り』第一回を追加
2013/06/24 (長篇)に『骨踊り』第二回を追加
2013/07/24 (長篇)に『骨踊り』第三回を追加
2013/08/24 (長篇)に『骨踊り』第四回を追加。及び『早稲田文学6』の告知。
2013/09/24 (長篇)に『骨踊り』第五回を追加
2013/10/24 (長篇)に『骨踊り』第六回を追加
2013/11/25 (長篇)に『骨踊り』第七、八回を追加
2013/12/24 (長篇)に『骨踊り』第九、十回(完結)を追加
2014/02/24 『骨踊り』の『BARABARA』との異同色分けPDF公開。 『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』の告知を追加
2014/04/24 「無神の馬」公開
2014/07/10 『向井豊昭の闘争』刊行告知
2014/07/24 「津軽と南部ァ親戚」公開 /30 書評情報を掲載
2014/08/25 「千代に八千代に」公開
2014/12/25 告知欄を更新&長澤氏の「向井豊昭の闘争」書評を公開
2015/01/24 幻視社委託の告知を追加
2015/03/24 (短篇)に「一揆」を公開
2015/04/30 書評欄を更新  「北海道新聞」2014年9月24日(川村湊氏)へのリンク、友常勉氏の書評情報を追加
2015/06/24 (戯曲)に「蝉」を公開
2015/08/22 告知欄に岡和田の北海道詩人論を追記
2015/10/26 (短篇)に「埴輪の目」を公開
2015/12/24 告知欄に岡和田の向井ガイドを追加
エッセイ欄に「エスペラント誌「La Movado」より向井豊昭関連記事」と「「北海道ローマ字研究会」掲載書簡」を追加
2016/04/26 短篇に「モヨロの人たち」を追加
2016/12/24 エッセイに「花序、蜃気楼」を追加。論考に東條慎生の書評「忘れられないための「闘争」を追加。

2017/08/10 (エッセイ)「蜃気楼 花序」に鈴木佐知さんのコメントを付記。告知に『日本文学全集』と岡和田晃による向井豊昭論の情報を追加。
2019/03/01 『向井豊昭小説選 骨踊り』刊行の告知を追加。3/10 幻戯書房のnoteで公開された短篇「竜天閣」へのリンクを追加。
2021/01/09 向井豊昭のエスペラント関連小説「Saito-Hidekatu」無料公開および、幻戯書房noteでの短篇「チカパシ祭」公開と、シミルボンでの『骨踊り』刊行記念鼎談記事へのリンクを追加。
2022/11/17 短歌誌「さて、」第十二号に木本千代の翻刻と紹介が掲載。
2023/03/20 エッセイ「五稜郭と片上楽天」を公開。
2023/05/31 「さて、」第十三号に木本千代の短歌の翻刻と論考が掲載。

 

●告知
「フラジャイル」と「潮流詩派」に向井豊昭の詩が掲載
「フラジャイル」18号に向井豊昭の詩「火花」及び岡和田晃の解説と、「潮流詩派」275号に同じく詩「渇き――あるスプリンターの言――」が掲載されています。
岡和田晃によるツイッターでの「フラジャイル」への言及・東條による「潮流詩派」への言及

「さて、」第十三号に木本千代についての論考が掲載
天草季紅氏の発行する短歌誌「さて、」第十三号に、前号に続き向井夷希微の大おば木本千代の短歌について論じる「破片をつなぐ2」が掲載されています。
たらば書房では店頭販売しており、発行元の武蔵野書房では通販も可能とのこと。

「さて、」第十二号に木本千代の翻刻と紹介が掲載
天草季紅氏の発行する短歌誌「さて、」第十二号にて、向井『怪道を行く』にも言及される向井夷希微の大おば木本千代が扱われています。木本の
短歌の翻刻と岡和田氏の解説、そして天草氏のエッセイが掲載されており、次号では天草氏の木本千代の短歌の検証が続く旨告知されています。
岡和田晃のツイッターでの言及

『骨踊り』刊行記念鼎談
書評サイト「シミルボン」にて、2019年3月8日に双子のライオン堂で行なわれた刊行記念トークイベントを文字おこしし、「何度でも、向井豊昭と『骨踊り』を〜岡和田晃×東條慎生×山城むつみ」(全四回)として公開しています。

『向井豊昭小説選 骨踊り』(Amazon honto)
KOTUODORI.JPG - 87,824BYTES
幻戯書房より小説選集が刊行されました。本サイトでも掲載した長篇『骨踊り』のほか、「鳩笛」「脱殻(カイセイエ)」の初期短篇と、90年代の祖父三部作「ええじゃないか」「あゝうつくしや」「武蔵国豊島郡練馬城パノラマ大写真」を収録し、その他事典項目、エッセイのほか、向井に大きな影響を与えた平岡篤頼のヌーヴォーロマン論も併載し、巻末には岡和田晃、東條慎生、山城むつみによる鼎談と岡和田による解説を収録しています。

池澤夏樹編『日本文学全集』に短篇採録
『日本文学全集28 近現代作家集3』に、短篇「ゴドーを尋ねながら」が採録されています。

岡和田晃による向井豊昭論二つ
「夷を微かに希うこと――向井豊昭と木村友祐」が、『北の文学2016』(北海道新聞社)に再録
「すばる」2017年2月号に、「〈アイヌ〉をめぐる状況とヘイトスピーチ――向井豊昭「脱殻(カイセイエ)」から見えた「伏字的死角」が掲載
*「脱殻」は新しく発見された作品です。

岡和田晃によるブックガイド
「早稲田文学2015年冬号」の「移動をめぐるブックガイド」に向井豊昭「怪道をゆく」の書評「中央の暴力を掻き回す辺境の言葉」が掲載。

岡和田晃による北海道詩人論
現代詩手帖 2015年 08 月号に論考「北限で詠う詩人たち、「途絶えの空隙」とそこからの飛翔」が掲載されています。佐々木昌雄、新谷行、盛義昭、向井豊昭、向井恵子、林美脉子といった人達による北海道の詩について論じています。

双子のライオン堂書店で「幻視社第八号」を委託販売中
岡和田晃による選書コーナーもある、選書専門書店双子のライオン堂さまにて、向井豊昭の「骨の中のモノローグ」と岡和田による「向井豊昭アーカイブ通信」が掲載された「幻視社第八号」が委託されています。委託手数料込みで750円となっていますけれど、代わりに店舗特典として向井豊昭の短いエッセイ「地名の歪み」を挟み込みペーパーとしてつけております。
双子のライオン堂

岡和田晃による向井豊昭論
金子議員の「アイヌはもういない」発言をきっかけとする「アイヌ否定論」へのカウンター、『アイヌ民族否定論に抗する』(岡和田晃、マーク・ウィンチェスター編)に、岡和田が「歴史修正主義と〈マイノリティ憑依〉を、ともに打破する言葉はどこか――教育者にして作家・向井豊昭の調査と思索、その原点」を掲載。(なお、向井とは無関係ながら東條も寄稿しております)

同人誌「幻視社」に未発表作品他
「幻視社第八号」に生前未発表作品「骨の中のモノローグ」公開&「向井豊昭アーカイブ通信」を収録。(通販はこの記事を参照)
幻視社既刊には他にも向井豊昭の未発表作品や稀少原稿、および岡和田による解説が掲載されています。現在第八号以外の紙媒体は在庫なしのため、以下のPDF版をご利用下さい。
同人文芸サークル「幻視社」 on Gumroad

岡和田晃による向井豊昭論
「すばる」2014年12月号に、岡和田晃「夷を微かに希うこと――向井豊昭と木村友祐」が掲載されています。

岡和田晃『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディディ)の世界文学』刊行
向井豊昭の闘争amazon

「未来」に連載されていた『向井豊昭の闘争』がついに刊行。連載時から大幅改稿、増補され、作品リストも付加されています。
向井豊昭について、いまもっとも詳しい著者による、六十年代の同人誌時代から今年に至る向井豊昭の軌跡をたどる決定的な評論といっていいと思います。(東條)
【書評掲載】
「未来」2014年8月号(東條慎生)
「時事通信」2014年8月30日配信記事(長澤唯史氏)(執筆者の許可を得て公開)
「出版ニュース」2014年9月中旬号
「すばる」2014年10月号「読書日録」(山城むつみ氏)
「すばる」2014年10月号「プレイヤード」(木村友祐氏)
「北海道新聞」2014年9月24日(川村湊氏)
出版記念イベント「歴史の声に動かされ、テクストを掘り下げるということ」(山城むつみ氏×岡和田晃の対談)(2014年9月24日) youtubeでの動画
出版記念イベント「聴け、「蝦夷」の声を――文学の闘争領域の拡大を目指して」(木村友祐氏×岡和田晃との対談)
「季報 唯物論研究」129号、2014年11月(石和義之氏)
「支援連ニュース」No.378(友常勉氏)

岡和田晃編『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』刊行
TOBU.JPG - 18,259BYTESamazon
当サイトを運営している岡和田晃が作品選定、解説、年譜を担当した向井豊昭の作品集が刊行されました。初期から最晩年までの短篇のほか、エッセイやハンガリーのエスペラント語短篇の翻訳など、バラエティ豊かな編集となっています。以下リンクで当サイトの運営者各人による紹介をしていますので、詳しくはそちらをご覧下さい。(東條)
『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』が発売されました。 - Flying to Wake Island
向井豊昭 - 向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ - Close to the Wall
【書評掲載】
「神保町の匠」2014年4月(西浩孝氏)
「POPEYE」No.803(2014 March)
「東奥日報」2014年3月6日(相木麻季氏)
「図書新聞」2014年4月12日号(A氏)
「文藝」2014年夏号(池田雄一氏)
「未来」2014年5月号(田中里尚氏)(版元著者の許諾を得て転載)
「すばる」2014年6月号(山田航氏)
「望星」2014年6月号(佐藤康智氏)
「La Movado」N-ro764(峰芳隆氏)
出版記念イベント「反骨と哄笑の文学」(市川真人氏×岡和田晃の対談)(2014年2月)

『早稲田文学6』に「用意、ドン!」掲載
WB.JPG - 41,544BYTES
amazon
9/6日発売の「早稲田文学6」での「早稲田文学新人賞のひとたち」という特集にて、当サイトで公開していた向井豊昭の短篇「用意、ドン!」が、岡和田晃による解説「二〇一三年の向井豊昭」とともに掲載されます。早稲文新人賞出身の向井豊昭、「早稲田文学2」での遺作「島本コウヘイは円空だった」以来の登場となります。
掲載にあたって編集部、当方によるテキストの再チェックを行い、岡和田による手書き原稿との照合を経て、いくつかのミスを修正した決定版です。(東條)

岡和田晃による向井豊昭論
評論連載「向井豊昭の闘争」を「未来」(未來社)で開始します。
月刊PR誌「未来」|未來社
未來社のPR誌『未来』において、岡和田晃による向井論「向井豊昭の闘争」の連載が2013年1月号にて無事終了しました。2014年に単行本化されました。(東條)

情報募集!
当アーカイブでは、向井豊昭氏についての情報を集めています。
特に生前の向井豊昭氏と交流があった方(文学仲間、教え子、etc)。
20世紀文学の最良の成果を引き継いだ向井文学の探究に、ぜひともお力をお貸しください。
連絡先:akiraokawada●gmail.com 
(岡和田晃)