北の想像力 著者紹介(五十音順)

北の想像力

石和義之(いしわ・よしゆき)
 一九六二年東京都三鷹市生まれ。東海大学大学院修了。SF評論家。日本SF作家クラブ会員。「アシモフの二つの顔」で、第四回日本SF評論賞優秀賞を受賞(受賞作は「SFマガジン」早川書房、二〇〇九年六月号に掲載)。共著に『3・11の未来 日 本・SF・創造力』(作品社)。『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)。評論作品に「氷原のアンティゴネ――『闇の左手』論」(「SFマガジン」二〇一一年七月号)、「実存のラスト・イグニッション――男祭りとしての『日本沈没』」(「小松左京マガジン」第四一巻)、「空気と実存」(「季刊メタポゾン」第八号)など。

礒部剛喜(いそべ・つよき)
 一九六二年生まれ。日本大学法学部卒。UFO現象学者。〈UFO相互調査ネットワーク(MUFON)〉日本総局調査員。日本SF作家クラブ会員。第二回日本SF評論賞優秀賞受賞(『国民の創世』(「SFマガジン」ニ〇〇七年五月号掲載)。翻訳書にジャック・ヴァレ『異星人情報局』(東京創元社)、エッセイ「わたしとSF 地球は狙われている」(ブック・アサヒ・コム)などがある。

浦高晃(うら・たかあきら)
 一九七六年鹿児島県(種子島)生まれ。海上保安官として、八年間勤務した後、書籍編集者としてエンターブレイン・本の雑誌社などを経てフリー編集者となる。二〇一四年より小学校教員。SFファン活動としては年一回開催されるSFセミナー実行委員の一員として様々なインタビュー企画の調整を行う。

岡和田晃(おかわだ・あきら)
 一九八一年北海道空知郡上富良野町生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。筑波大学大学院人文社会科学研究科文芸・言語専攻一貫制博士課程在学中。批評家、ライター。日本SF作家クラブ、speculativejapan 会員。活動の核に文学を据え、境界解体的な活動を旨とする。「「世界内戦」とわずかな希望――伊藤計劃『虐殺器官』へ向き合うために」で第五回日本SF評論賞優秀賞受賞。著書に『「世界内戦」とわずかな希望 伊藤計劃・SF・現代文学』(アトリエサード/書苑新社)、『向井豊昭の闘争 異種混交性(ハイブリディティ)の世界文学』(仮題、近刊)、編著に『向井豊昭傑作集 飛ぶくしゃみ』(未來社)、共著に『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)、『二十一世紀探偵小説 ポスト新本格と論理の崩壊』(南雲堂、第一二回本格ミステリ大賞候補)、『「はだしのゲン」を読む』(河出書房新社)ほか。翻訳書に『救済の書: トゥーム・オヴ・サルヴェイション』(共訳、ホビージャパン)、『H・P・ラヴクラフト大事典』(共訳、エンターブレイン)など多数。解説にピーター・ディキンスン『生ける屍』(ちくま文庫)、川上亮『人狼ゲーム BEAST SIDE』(竹書房文庫)、仁木稔『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』(早川書房)ほか。「SFマガジン」「SF JAPAN」「小松左京マガジン」「Webミステリーズ!」「季刊メタポゾン」「早稲田文学」「時事通信」「未来」「ジャーロ」「本格ミステリー・ワールド」等に寄稿。ゲームライティングの仕事も多数あり、専門誌・ウェブサイト等の記事を執筆、研究・実践団体Analog Game Studies代表をつとめる。著書にリプレイ小説『アゲインスト・ジェノサイド』(アークライト/新紀元社)。ポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』日本語版(近刊)に携わり、関連して日本SF作家クラブ公認ネットマガジン「SF PrologueWave」でSF作家たちとシェアードワールド小説企画を進行中。

忍澤勉(おしざわ・つとむ)
 一九五六年東京都生まれ。明治学院大学経済学部卒業後、編集プロダクション・広告制作会社・出版会社を経て現在はフリーライター。日本SF作家クラブ会員。「東京シュプール」で、第一三回長塚節文学賞小説部門優秀賞を受賞。「ものみな憩える」で第二回創元SF短編賞の堀晃賞を受賞。『原色の想像力2』(創元SF文庫)に所収。「『惑星ソラリス』理解のために――『ソラリス』はどう伝わったのか」で、第七回日本SF評論賞選考委員特別賞を受賞。大幅加筆の上、「『惑星ソラリス理解のために[一]――レムの失われた神学」、「『惑星ソラリス』理解のために[二]――タルコフスキーの聖家族」として、『SFマガジン』二〇一二年六〜八月号に掲載。ショートショート「発話機能」を人工知能学会誌vol.28 No.3(二〇一三年五月)に掲載。

倉数茂(くらかず・しげる)
 一九六九年兵庫県神戸市生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。作家・評論家。著書に『黒揚羽の夏』『魔術師たちの秋』(共にポプラ社)、『始まりの母の国』(早川書房)、『私自身であろうとする衝動――関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ』(以文社)。

小谷真理(こたに・まり)
 一九五八年富山県生まれ。SF&ファンタジー評論家。日本SF作家クラブ会員。日本ペンクラブ女性作家委員会委員長。明治大学情報コミュニケーション学部客員教授。著書『女性状無意識』(勁草書房)で一九九四年度日本SF大賞受賞。共訳書『サイボーグ・フェミニズム』(ダナ・ハラウェイほか、水声社)で九一年度日本翻訳大賞思想部門受賞。主著に、『聖母エヴァンゲリオン』(マガジンハウス)、『ファンタジーの冒険』(ちくま新書)、『エイリアン・ベッドフェロウズ』(松柏社)、『おこげノススメ』( 青土社)、『テクノゴシック』(集英社)など、訳書にジョアナ・ラス『テクスチュアル・ハラスメント』がある。現在『日本経済新聞』(水曜夕刊)で「目利きが選ぶ三冊」を連載中。

高槻真樹(たかつき・まき)
 一九六八年生まれ、立命館大学産業社会学部卒。SF評論家・作家。日本SF作家クラブ会員。第五回日本SF評論賞では、「文字のないSF――イスフェークを探して」にて選考委員特別賞を受賞した。受賞作で豪の絵本作家ショーン・タンを論じた縁で、河出書房新社からタンの著作「アライバル」日本版の帯文を依頼され、「文字なし絵本の無限大」のコピー文を制作。著作に『戦前日本SF映画創世記』(河出書房新社)、『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)に収録された「知られざるSF作家 杉山恵一」など。第四回創元SF短編賞では「狂恋の女師匠」にて日下三蔵賞を受賞した。

巽孝之(たつみ・たかゆき)※
 一九五五年、東京生まれ。アメリカ文学者・SF評論家。現在、慶應義塾大学文学部教授。コーネル大学大学院修了(Ph.D,1987)。主著に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、一九八八年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『「2001年宇宙の旅」講義』(平凡社新書、二〇〇一年)、Full Metal Apache(Durham: Duke UP, 2006, 2010年度IAFA[国際幻想芸術学会]学術部門賞)ほか。編著に『日本SF論争史』(勁草書房、二〇〇〇年、第二一回日本SF大賞)、編訳書にダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル/水声社、一九九一年/二〇〇一年、第二回日本翻訳大賞思想部門賞)ほか多数。

田中里尚(たなか・のりなお)
 一九七四年生まれ。立教大学大学院文学研究科比較文明学専攻博士後期課程修了。博士(比較文明学)。博士論文「『主婦之友』と戦後女性イメージの創出 : 変容する洋装関連記事の分析を通じて」(二〇〇七年)。専攻は日本近代史、メディア論、ファッション論。現在は、文化学園大学服装学部服装社会学科准教授(服装史学)。論考として「ファッションブランドと堤清二――西武百貨店SEED館が示すもの」(「ユリイカ」青土社、二〇一四年)など。

丹菊逸治(たんぎく・いつじ)
 一九七〇年生まれ、東京大学文学部卒。千葉大学大学院修了。文学博士。北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授。専門はアイヌ語アイヌ文学・ニヴフ語ニヴフ文学・口承文芸論。アイヌ語およびアイヌ口承文芸の研究の傍ら一九九九年よりサハリン島のニヴフ民族の口承文芸を現地調査を通じて再構築する研究を続けている。二〇一三年にアイヌ文化振興・研究推進機構が製作した全編アイヌ語による短編アニメ集『オル.ペ・スウォ..』の編集委員会に加わり文化考証を行なう。一般向け文章としては「ニヴフ文化の伝承者たち」(小長谷有紀ほか編『次世代をはぐくむために 昔話研究を幼児教育に活かす』国立民族学博物館)、ニヴフ語の一般向け教材を中川裕監修『日本語の隣人たち』(白水社)に執筆している。

東條慎生(とうじょう・しんせい)
 一九八一年生まれ、和光大学表現学部卒。ライター、としての商業媒体でのまとまった文章は本書が初めて。ウェブ上で「後藤明生レビュー」や本書編者の岡和田と共同で「向井豊昭アーカイブ」を運営・公開している(いずれも下記「幻視社」ウェブサイト内)。「向井豊昭特集」「イスマイル・カダレと〈東欧の想像力〉特集」「〈想像力の文学〉特集」といった企画を行なってきた文芸同人誌「幻視社」代表。パロル舎の雑誌「ぱろる」一二号に創作童話「ゆうやけ」、すばる舎『熱い書評から親しむ感動の名著』にニコルソン・ベイカー『中二階』の書評がある。
http://d.hatena.ne.jp/CloseToTheWall
http://www.geocities.jp/gensisha

橋本輝幸(はしもと・てるゆき)
 一九八四年北海道函館市生まれ。ライター。二〇〇八年より「SFマガジン」上で毎月〈世界SF情報〉コーナーを執筆。英語圏を中心とした最新のSFの情報収集と紹介を精力的に続け、未訳SFのレビューや年に一度の「SFマガジン」英米SF受賞作特集号の解説も担当する。ほかに『冲方丁 公式読本』(洋泉社MOOK/宝島文庫)への寄稿、キャサリン・M・ヴァレンテ短篇集The Melancholy of Mechagirl(Haikasoru)の序文執筆などをしている。

藤元登四郎(ふじもと・としろう)
 一九四一年宮崎県都城市生まれ。東京大学医学部卒。医学博士。精神科医・SF評論家。日本SF作家クラブ会員。「『高い城の男』――ウクロニーと『易教』」で、第六回日本SF評論賞選考委員特別賞を受賞(受賞作は「SFマガジン」二〇一一年七月号に掲載)。著書に『シュルレアリスト精神分析 ボッシュ+ダリ+マグリット+エッシャー+初期荒巻義雄/論』(中央公論事業出版)(第三三回日本SF大賞候補作)。翻訳にステファンヌ・マンフレド著『フランス流SF入門』(幻冬舎ルネサンス)。評論作品に「神林長平」(「SFマガジン」二〇一三年四月号)。精神医学の翻訳にギャラベ『アンリ・エー入門』ほか。精神医学論文Dysfunctional Cortical Connectivity Duringthe Auditory Oddball Task in Patients with Schizophrenia,The Open Neuroimaging Journal, 2013ほか。

増田まもる(ますだ・まもる)
 一九四九年宮城県生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部文芸科中退。主な訳書にバラード『夢幻会社』『楽園への疾走』『千年紀の民』、マコーマック『パラダイス・モーテル』『隠し部屋を査察して』『ミステリウム』、マーティン『フィーヴァー・ドリーム』(以上、東京創元社)、バンクス『フィアサム・エンジン』、テッパー『女の国の門』(以上、早川書房)、コールダー『デッド・ガールズ』『デッド・ボーイズ』(以上、トレヴィル)などがある。二〇一一年より第二〇代日本SF作家クラブ事務局長(二〇一三年まで)。

松本寛大(まつもと・かんだい)
 一九七一年北海道札幌市生まれ。ミステリー作家。二〇〇八年、『玻璃の家』(講談社、二〇〇九年)で島田荘司選・第一回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。著書に『妖精の墓標』(講談社ノベルス)があるほか、短編「最後の夏」が『ミステリ・オールスターズ』(角川書店。のちに角川文庫)に、「I・C」が「ジャーロ」四〇号(二〇一〇年一二月号)に掲載。〈クトゥルフ神話TRPG〉における仕事も手がけており、「クトゥルフカルト・ナウ」(エンターブレイン)、「クトゥルフ・ホラーショウ」(アークライト)に寄稿。また、朝松健『崑央(クン・ヤン)の女王』(創土社)の解説を執筆している。

三浦祐嗣(みうら・ゆうじ)
 一九五三年北海道札幌市生まれ。北海道大工学部卒。七六年に北海道新聞社に入社し編集委員・文化部長などを務め、二〇一三年二月に退職。イスカーチェリSFクラブ元会長。第一二回日本SF大会「EZOCON」実行委員長。短編「軌道交差」で第一回SFファンジン大賞(創作部門)を受賞。全日本中高年SFターミナル同人。共著に『科学・知ってるつもり77』(講談社ブルーバックス)、『歌の中の札幌』(札幌市教育委員会編、さっぽろ文庫)など。

宮野由梨香(みやの・ゆりか)
 一九六一年生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了。評論家・科学思想史研究家。著書に『『海のトリトン』の彼方へ』(風塵社から本人名義にて発刊)、共著に『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)、評論に「星新一――なぜ一〇〇一話なのか?」(「SFマガジン」二〇一二年二月号)、「人類は 、季節繁殖の夢を見るか」(「季刊メタポゾン」第八号)などがある。

横道仁志(よこみち・ひとし)
 一九八二年生まれ、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在籍中。専攻は美学・中世神学。日本SF作家クラブ会員。「『鳥姫伝』評論――断絶に架かる一本の橋」で第一回日本SF評論賞受賞(「SFマガジン」二〇〇六年五月号に掲載)。共著に『しずおかSF 異次元への扉』(財団法人静岡県文化財団)、評論に「〈父〉はここにいない――非の神学としてのSF」(「SFマガジン」二〇一三年五月号)、学術論文に「ボナヴェントゥラの感覚論――比例中項としての美しさ」(「フィロカリア」第三〇号)など。

渡邊利道(わたなべ・としみち)
 一九六九年愛知県生まれ。SF評論家・作家。日本SF作家クラブ会員。小学生の時に一家が離散し、中学校卒業後はおもに肉体労働に従事しながら全国を放浪。一九九一年慢性腎不全で一級身体障害者となる。翌年腎臓移植手術を受け静養しながら、執筆活動を開始。ポルノ小説や漫画原作などを手がける傍ら、結婚して主夫生活も送る。二○○三年に移植腎が機能不全となり人工透析を再開。二○一一年「独身者たちの宴――上田早夕里『華竜の宮』論」で第七回日本SF評論賞優秀賞を受賞(「SFマガジン」二○一二年五月号掲載)。二○一二年「エヌ氏」で第三回創元SF短編賞飛浩隆賞を受賞(東京創元社より近刊のアンソロジーに収録予定)。評論に上田早夕里『華竜の宮』(ハヤカワ文庫、二○一二年)の「解説」、「受け継いだものと切り開いたもの」(「SFマガジン」二○一三年五月号)、小説に「揚羽蝶が砕けた夜」(日本SF作家クラブ公認ウェブマガジン「SF Prologue Wave」内コンテンツ、SFRPG「Eclipse Phase」シェアード・ワールド・ノベル作品http://prologuewave.com/archives/2605)、「抜け穴」(人工知能学会誌、二〇一三年五月号)などがある。

の字は正しくは巽

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《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅