後藤明生『小説は何処から来たか』初出リスト
白地社、1995年7月刊

本書には初出一覧が存在しない為、著作目録、他エッセイ集と照らし合わせて一覧を作成した。必ずしも初出現物を確認していない場合もある。
赤字は本書初収録の原稿。2019.5作成、2020.1全初出を確認し更新。2020.2表記・デザインを修正。

プロローグ
小説は何処から来たか?
「小説は何処から来たか?」、「群像」1993.1
幻想喜劇派の系譜
〈未来〉としての〈過去〉
 
第一章 日本近代小説の夢と現実 二葉亭四迷
分裂した知識人 「二葉亭四迷の栄光と悲惨」、『日本の古典7 武蔵野 平凡』学研、1982.5(『復習の時代』、『文学が変るとき』に改題所収)
ロシア近代との比較
「真面目な雑談と質問」、「ロシア手帖」二十二号、1986.6.20(『文学が変るとき』に改題所収)
自己喜劇化の方法
『浮雲』と『あひびき』
 
第二章 喜劇としての近代 日本文学とロシア文学
「笑い地獄」 「いち」七号、1976.7(『夜更けの散歩』所収)
素材と文体 「ゴーゴリの墓碑銘」、「窓」17号、1976.6の前半部分(『夜更けの散歩』所収)
『雨月物語』と『外套』 同上
ペテルブルグの『鼻』 「ゴーゴリの「鼻」、「毎日新聞夕刊」1992.2.3(『小説の快楽』所収)
幽霊の出ない『外套』

「朝日新聞夕刊」1992.7.24

「他者」との関係 「ゴーゴリの墓碑銘」、「窓」17号、1976.6の後半部分(『夜更けの散歩』所収)
百年目の『浮雲』 筑摩書房『二葉亭四迷全集』月報、1986.4(『もう一つの目』所収)
連続と断絶 「文学」1982.6
 
第三章 二十世紀小説としての新しさ 夏目漱石
小説家宣言
ほるぷ版『日本の文学30 明暗下』解説、1985.8(『文学が変るとき』所収)
『明暗』の構造
『明暗』最終回の問題
 
第四章 方法としてのテキスト 芥川龍之介
代用食 野球 芥川
小学館『群像日本の作家 芥川龍之介』1991.4
模倣と批評
芥川龍之介という方法
 
第五章 「生理学」の方法 永井荷風
超個人主義と戯作者宣言
小学館『昭和文学全集第一巻』解説、1987.5(『文学が変るとき』所収)
”復興銀座”を描く都市小説
”新時代”への文明批評
「小説の小説」という形式
「わたくし」という仮面
 
第六章 「都市小説」の構造 宇野浩二と永井荷風
フィクションのフィクション 「都市小説あるいはフィクションのフィクション」、「読売新聞」1987.2.6(『文学が変るとき』所収)
「読んで書いた」作家
「幾つかのポイント――宇野浩二と永井荷風」、「日本近代文学」40集、1989.5
東京とペテルブルグ
「偶然」と「突然」の関係
混血=分裂の系譜
アパートの問題
二重性と普遍性
『濹東綺譚』の映画化について 「出版ダイジェスト」1992.9.30
 
第七章 夢のプログラム 宇野浩二と牧野信一
伝説とエピソード
「模倣と新奇――宇野浩二」、「早稲田文学」1985.8(『文学が変るとき』所収)
模倣と新奇
笑いの虫の系譜
マジメな茶番
近松秋江を読む 「東京新聞夕刊」1992.8.29
牧野信一の一篇 「別冊文藝 ブック・ガイド’89」1988.10
アンケート
「海燕」1982.9月号(『文学が変るとき』所収)
百年遍歴の夢
 
第八章 自意識の喜劇 横光利一
『機械』の方法
「『機械』の方法」、「文藝」1981.10(『復習の時代』『文学が変るとき』所収)
自意識の悲鳴
二十世紀文学の迷路
「《方法》としての横光利一」、「朝日ジャーナル」1981.11.27(『復習の時代』『文学が変るとき』所収)
方法としての横光利一
二十世紀小説としての横光文学 「波」1991.3
 
第九章 反復と引用のエクリチュール 太宰治
喜劇が通じない悲劇
「『斜陽』再読」、「国文学」1976.5(『夜更けの散歩』所収)
"おとなしい小説”
『駈込み訴え』の謎 「文學界」1992.8
アミダ太平記 「読売新聞夕刊」1988.10.22
四年がかりの連作 「本」1989.4(『小説の快楽』所収)
遍歴と反復 「季刊出版月報」1992.11.1
 
第十章 超ジャンルと楕円T 花田清輝
花田式パロディー 「すばる」1981.4(『復習の時代』所収)
『室町小説集』
「潮」1973.9(『復習の時代』所収)
新しい喜劇空間の発見
対立と統一 「潮」1974.9(『復習の時代』所収)
円と楕円
「新潮」1985.1(『文学が変るとき』所収)
文学が変わるとき
 
第十一章 超ジャンルと楕円U 武田泰淳
『司馬遷』と失業の思い出 「マダム」1982.6「『史記』を書いた男」(『復習の時代』所収 『円と楕円の世界』の同名文とは別のもの)
楕円ショック  「西日本新聞夕刊」1987.4.15(『もう一つの目』所収)
形見の椅子  「西日本新聞夕刊」1987.4.16(『もう一つの目』所収)
『目まいのする散歩』 中公文庫『目まいのする散歩』「解説」、1978.5(最後の一段落が削除。『針の穴から』版が全部を収録)
文庫ベスト3 「毎日新聞」1993.10.18
 
第十二章 文体的思考 鮎川信夫
言語のテクスチュアー
中央公論社『現代の詩人2 鮎川信夫』1984.3より(『おもちゃの知・知・知』所収)
ベーブ・ルース・ショック
第一次「荒地」
幻想とメマイの迷路=新宿
対位法
偶然哲学
 
第十三章 フィクションの変奏 丸谷才一
「古典主義」無視への批判
小学館『昭和文学全集23巻』1987.8、丸谷才一解説
『新古今』と『ユリシーズ』
重層をなす時間と意識
「死のテーマ」の変奏
二十世紀文学の正統
 
第十四章 「戦中少年」の体験と方法 古井由吉
一九七〇年
「『槿』を読む」、文芸図書館レ・ロマン」1983年冬号(『おもちゃの知・知・知』所収)
「太い溜息」
「内向の世代」の難解さ
『楽天記』の夢の息子 「季刊出版月報」七号、1992.8
 
第十五章・第十六章 ジャンルと形式の起源
小学館『日本大百科全書』12巻、1986.11(「小説」の項)
世界小説年表

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